2022-03-17から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 5」

二十一 朝、起きると、ききょうがはいはいしてやってきた。抱え上げると、嬉しそうに笑った。頬ずりはせずにほっぺたをくっつけた。柔らかな肌だった。「お前は美人になるな」と僕は、親馬鹿だが本気でそう思って言った。 風車は朝餉でもご機嫌だった。昨日…

小説「僕が、剣道ですか? 5」

二十 焼き芋を食べ終えると、早々に風呂に入った。今日は朝から忍びの者と一戦を交えただけでなく、竹内道場で稽古までしてきたのだ。躰は疲れていた。着物を洗ったとはいえ、沢の水で注いだだけだったので、風呂場で足踏み洗いをしたいとも思った。 風車も…