2022-02-07から1日間の記事一覧

小説「僕が、剣道ですか? 4」

十九 次の日、朝餉をとると、出立の準備をした。いよいよ口留番所を通過する時が来たのだ。口留番所まで三里ほどあった。途中で、一度休憩を取り、きくがききょうに乳を与えた。 口留番所までに行く間、どう通過するか考えた。 木村彪吾のことである。すでに…

小説「僕が、剣道ですか? 4」

十八 朝餉が済むと、きくとききょうとで河原に行き、きくに懐剣の練習をした。 今日は僕が定国を抜き、そこに向かってくるように言った。実際に真剣を持った者に立ち向かうのは容易いことではなかった。まして、それが僕であるから、きくの懐剣は鈍かった。…