2021-04-01から1日間の記事一覧

小説「真理の微笑」

七十四 ベッドの中で私はなかなか勃起しなかった。今日の事が頭から離れなかったからだ。 今、私がここにいるという事は、真理子が富岡を殺そうとして果たせなかった事になる。とすれば真理子はどう思っているのだろう。今でも私を富岡だと思っているのだろ…

小説「真理の微笑」

七十三 早く帰ってきた私に真理子は驚いて、「どうしたの」と訊いた。「少し疲れているんだ」と応えると「それならベッドで休んだら」と言った。「いや、そうもしていられない。気にかかる事があるんだ」 つい、口に出してしまった。しまったと思った。「な…